猫の口臭が気になったら…口臭は病気のサインかも!?

  • 2025年3月14日
  • 2025年3月14日

いつも身近にいる飼い猫の口のにおいが臭くなれば、多くの飼い主様はすぐに気がつくことと思います。
口臭は口腔内の病気や内臓の病気が原因の場合もあるので、たかが口臭と思わずに原因を調べることが大事になります。
今回は口臭の原因、口臭に関連する病気、口腔内ケアについて説明します。

猫の口臭の原因とは

猫の口臭には、さまざまな原因があります。
問題のない場合やすぐに対処すれば予防ができる場合もあります。また、すでに病気に罹っていて治療が必要になる場合もあります。
まずは、口臭の原因を知っておきましょう。

食べ物

猫の口臭を感じたら、直前に食べたものを確認してください。魚系フードなど、においのきついものを食べたあとは口臭を感じますが、一時的な場合が多く心配はいりません。
問題がないのは、この食べ物による口臭のみです。

口腔内のケアが不足している

最も一般的な口臭の原因は、歯磨き不足など不十分な口腔内ケアにより歯垢や歯石がつくことです。
口腔内のケア不足で臭い場合には、後で述べる口臭を防ぐケアと対策を参考にしてください。
歯肉炎や歯周病に進んでいる場合は、治療が必要になることもあります。

口腔内の乾燥

猫の場合、飲水量がもともと少ないため乾燥しやすく、病気などで脱水すると容易に口の中が乾燥します。
口の中が乾燥すると臭いだけではなく唾液による殺菌効果も得られず、歯周病菌などの病原菌が繁殖し歯周病の原因にもなります。猫は積極的には水を摂らないので、水を飲んでくれる工夫が必要です。

口腔内の病気

口腔内ケア不足から歯肉炎や歯周病になっている場合があります。
また、口内炎や口腔内腫瘍によっても口臭が生じることがあります。

内臓の病気

さまざまな内臓の病気が口臭の原因になることがあります。

口臭は病気のサインかも!?

猫の口を開けて確認すると、口腔内の病気がわかることがあります。
また、口腔内に異常がなければ内臓の病気の可能性が高まります。病気を見つけるために普段から口を開けるトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。
口の中を見ることができなくても、この記事を読んで病気の疑いがあれば病院を受診されることをお勧めします。
それでは、口臭を起こす主な口腔内の病気と内臓の病気について説明します。

口腔内の病気

歯肉炎

歯垢の中の細菌が原因となり歯肉に炎症を起こします。
歯肉が赤く腫れる、口臭がきつくなるなどの症状があります。

歯周病

歯垢の中の細菌が原因となり、歯肉だけではなく歯の周囲の組織や骨にも炎症が波及します。
口から腐敗臭のようなきついにおいがします。
歯が抜けたり、顔の皮膚に穴が開いたり、歯根にたまった膿が排出されることもあります。痛みを伴い食欲がなくなる場合もあります。

口内炎

舌や歯肉といった口腔内の粘膜に炎症が起こって、出血やよだれが出たり口臭がひどくなったりする病気です。ウイルス感染や細菌感染による過剰な免疫反応などが原因です。
口腔内がただれたり、潰瘍ができたりすると痛みが生じ、食事がしづらくなり体重の減少がみられます。

口腔内腫瘍

食べづらくなったり、口臭がきつくなったり、よだれが多くなったり、口から出血するなどの症状を起こします。
口の中にできる腫瘍のほとんどが扁平上皮癌(70~80%)と報告されています。外科手術をしても再発率が高く、予後も悪いことが多いので早期発見が重要です。

内臓の病気

腎機能不全

急性腎不全、慢性腎不全などにより腎臓の機能が低下した場合、尿により排泄される毒素が正常に排出できなくなって体内にとどまり、口臭を生じることがあります。また、腎機能不全にはたくさん水を飲んでも尿量が多く脱水するという症状もあり、結果的に口腔内が乾燥することによって口臭が生じます。

肝機能不全

急性肝臓病、慢性肝臓病などにより肝機能の低下が起こった場合、肝臓で代謝されるはずの毒素が体内にたまり口臭が生じます。
肝臓病は命に関わることもあるので早期発見が重要です。

糖尿病

糖尿病になると糖のかわりに脂肪をエネルギー源として利用します。脂肪を分解した時に生じる「ケトン体」という物質が体にたまることにより、独特の甘酸っぱいにおいが口臭や尿のにおいの原因となります。
糖尿病はたくさん水を飲み、たくさん尿をするという症状もあります。

便秘・腸閉塞

口と腸は繋がっています。
重度の便秘や腸閉塞で腸の中に便がたまると、口臭が便のようなにおいになることがあります。

口臭を防ぐためのケアと対策

一番大事なのは日頃の口腔内ケアです。理想は1日1回歯ブラシで歯垢を取ることです。
最初は少しずつ、嫌がらないようにはじめてください。歯ブラシが苦手な子にはデンタルシートを使うのもよいでしょう。
幼猫のころから慣らすとよいのですが、どうしても口を触られるのが苦手な子にはオーラルケア対応のフードやサプリメント、液体デンタルケア、舐めるだけでもOKの歯磨きペーストなどもあるので試してみてください。
また、水分補給も大事です。
猫が常に水を飲みやすい環境を工夫してみてください。例えば、水飲み場を何か所か用意したり、場所を変えてみたり、水道の蛇口から落ちる水が好きならノズル式の給水器を設置したり、お風呂場の洗面器から水を飲むのが好きな子には用意するなど試してみてください。
水は毎日新鮮なものに替えてください。

さいごに

猫の口臭は健康状態を示す重要な情報源です。
口臭が感じられたら口を開けて観察することが大事です。もし口腔内の病気があれば異変に気づくでしょう。
口の中を見ることができなくて口臭が続く場合は、口腔内の病気か内臓の病気の可能性が高いので病院を受診して原因を調べてもらいましょう。