見落としがちな愛犬のSOS!犬の肉球の病気と正しいケア方法

  • 2025年11月20日
  • 2025年11月20日

大切な役割がたくさん!犬の「肉球」とは

プニプニとした独特の感触が愛らしい犬の肉球。犬が寝ている時などについついこっそり触りたくなってしまいますよね。実はこの肉球、単なるかわいいパーツではなく、愛犬の生活を支える非常に重要な器官なのです。

まず最も大きな役割はクッション機能です。走ったり跳んだりする際の衝撃を吸収し、関節や骨への負担を和らげています。肉球は厚い角質層と弾力性のある脂肪組織でできており、まるで高性能なスポーツスニーカーのような働きをしているのです。

次に挙げられるのが滑り止めとしての機能です。肉球の表面をよく見ると指紋のような細かい溝があり、地面をしっかりとグリップできるようになっています。これにより急な方向転換や坂道でも踏ん張りがきくようになっています。フローリングで滑りやすい子は、肉球が乾燥していたり摩耗していたりする可能性も考えられるのです。

さらに、犬は肉球でしか汗をかけないため、体温調節の役割も担っています。暑い日に犬の肉球が湿っているのは、体温を下げようとしているサインです。また、冷たい地面や熱い地面から体を守る断熱材としても機能しています。

※実際には、放熱の大半は口からのパンティング(浅速呼吸)によって行っています。

意外と知られていないのが感覚センサーとしての役割です。肉球には多くの神経が集まっており、地面の温度や質感、振動などを敏感に感じ取ります。この情報は犬が安全に歩くために欠かせないものなのです。こんなにも多くの役割を持つ肉球だからこそ、トラブルが起きると日常生活に大きな支障が出てしまいます。

見逃さないで!肉球が訴える「病気・トラブル」の危険サイン

肉球のトラブルは、愛犬の歩き方や行動に変化として現れることが多いです。いつもと違う様子に早めに気づいてあげることが大切になります。歩き方がおかしい、足を庇うというのは最も分かりやすいサインです。片足だけ地面に着けたがらない、引きずるように歩く、散歩を嫌がるようになったなどの変化が見られたら、肉球をチェックしてみましょう。

肉球そのものの変化としては、赤く腫れている、出血している、ひび割れている、色が変わっているなどがあります。健康な肉球は弾力があり、黒やピンク、茶色などの均一な色をしています。もし硬くゴワゴワしていたり、一部だけ色が違ったりする場合は注意が必要です。過剰に肉球を舐めるのも、何らかの異常があるサインかもしれません。痒みや痛み、違和感があると、犬は本能的にその部分を舐めて治そうとします。しかし、舐めすぎて逆に炎症を悪化させてしまうことが多く、肉球を頻繁に舐めるようになったら獣医師にご相談ください。

具体的なトラブルとしては、火傷や凍傷が挙げられます。夏場のアスファルトは50度以上になることもあり、短時間の散歩でも火傷してしまうケースがあります。冬場の凍った路面や雪道も同様に危険です。肉球が赤く腫れ、水ぶくれができることもあります。切り傷や刺し傷のトラブルも多いです。ガラス片や石、植物のトゲなどで傷つくことがあります。出血している場合はもちろん、異物が刺さったままになっていることもあるため、よく観察する必要があります。

乾燥やひび割れは、特に冬場や高齢犬に多く見られます。肉球がカサカサになり、ひどい場合は深い亀裂が入って出血することも。放置すると歩くたびに痛みを感じるようになります。

また、アレルギーや皮膚炎による炎症も起こります。肉球が赤く腫れたり、指の間が赤くなったりします。痒みを伴うことが多く、頻繁に舐めたり噛んだりする様子が見られます。肉球から悪臭が出ている場合は、細菌性の皮膚炎やマラセチア性皮膚炎なども考えられますので、見た目だけではなく匂いにも注目してみてください。

稀ですが、腫瘍ができることもあります。肉球にしこりやイボのようなものができたり、急に大きくなったりした場合は、早めに動物病院を受診してください。

愛犬の肉球を守るために。日常の「ケア」と「対処法」

肉球トラブルの多くは、日頃のケアと注意で予防できます。また、万が一トラブルが起きた時の対処法を知っておくことも大切です。

まずは、日常的なチェックを習慣にしましょう。散歩の後は必ず肉球を見て、傷や異物がないか確認すると同時に触って硬さや温度、腫れなどがないか確かめてください。定期的にチェックしていると、小さな変化にも気づきやすくなります。保湿ケアも重要です。肉球専用のクリームやバームを使って、週に1回程度保湿してあげましょう。人間用のハンドクリームは成分が合わないことがある上に、ビタミンなどが添加されていて舐めて中毒症状が出る可能性もあるので避けてください。塗った後に舐めないよう、遊びやおやつで気を逸らすのがコツです。

散歩時の配慮としては、夏場は早朝や夕方以降の涼しい時間帯を選びましょう。アスファルトを手で触ってみて、5秒以上触れていられないほど熱ければ、犬にとっても危険です。冬場は雪道を長時間歩かせないようにし、必要に応じて犬用の靴下を活用するのも良い方法です。

爪のケアも肉球の健康に関係しています。爪が伸びすぎると歩き方が不自然になり、肉球への負担が増えます。定期的に爪切りをして、適切な長さを保ちましょう。

室内環境では、フローリング対策が大切です。滑りやすい床は肉球だけでなく関節にも負担をかけます。カーペットやマットを敷く、滑り止めワックスを使うなどの工夫をしてください。

もしトラブルが起きてしまった時の応急処置も覚えておきましょう。軽い切り傷の場合は、まず清潔な水で汚れを洗い流します。出血があれば清潔なガーゼで圧迫止血。その後、舐めないように注意して、早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

異物が刺さっている場合、浅く刺さっているなら取り除いても構いませんが、深く刺さっている時は無理に抜かずそのまま病院へ向かってください。無理に抜くと出血が増えたり、異物が折れて残ってしまったりすることがあります。

火傷の場合は、すぐに冷やすことが最優先です。流水や冷たい濡れタオルで患部を冷やし、なるべく早く受診しましょう。ただし、どんな場合でも自己判断での治療には限界があります。少しでも心配な症状があれば、遠慮なく動物病院にご相談ください。

さいごに

犬の肉球は、愛犬が元気に歩き、走り、遊ぶために欠かせない大切な”シューズ”です。小さなトラブルでも放置すると痛みで歩けなくなったり、感染症を引き起こしたりすることもあります。

毎日のスキンシップの中で肉球に触れる習慣をつけると、異常の早期発見につながります。「なんだかいつもと違うな」と感じたら、それは愛犬からのSOSかもしれません。健康な肉球を保つことは、愛犬の生活の質を守ることに直結しています。季節に応じたケア、日々の観察、そして何かあった時の迅速な対応。この3つを心がけるようにしましょう。