犬の歯周病とはどんなもの?予防や対策について

  • 2023年10月24日
  • 2023年10月25日

犬の歯周病とは?

犬にも歯周病が存在します。歯周病は犬や猫などの動物にも一般的に見られる口腔疾患の一つです。歯周病は、細菌感染によって引き起こされ、歯ぐきが炎症したり、歯を支える骨などが溶けてしまったりする病気です。

歯周病の主な原因は、歯垢と歯石の蓄積です。

歯垢は食物の残りかすなどが歯に付着して形成され、時間が経つと硬くなり歯石となります。これらの歯垢や歯石の中で増殖した細菌が歯ぐきと歯の間に入り込むと、炎症を引き起こし、歯肉の腫れ、赤み、出血などの症状が現れます。進行すると、歯ぐきが後退したり、歯がグラグラしたり、最終的には歯が抜けてしまうことがあります。

犬の歯周病はどんな症状が出るの?

犬の歯周病は進行すると様々な症状を引き起こす可能性があります。以下は、犬の歯周病に関連する一般的な症状です。

比較的初期から見られる症状

口臭

口臭(口からの異臭)は、歯周病の初期症状の一つであり、比較的早い段階で現れることがあります。犬の口臭は通常、強く、不快な匂いがします。

歯ぐきの腫れと赤み

歯周病が進行すると、歯ぐきが腫れたり赤くなったりすることがあります。歯ぐきの周りに炎症が見られます。

出血

歯ぐきからの出血(特に歯磨き中や食事中の出血)は、歯周病の兆候です。歯ぐきが細菌感染している可能性が高いため、注意が必要です。

以下のような症状が出ている時には、歯周病はすでに進行していて、犬にとっても不快感のある症状になっている可能性があります。

おもに中期以降にみられる症状

食欲不振

犬が歯周病に苦しむ場合、噛むことや食べることが痛みを伴うため、食欲不振や食事量の減少が見られることがあります。

異常な唾液

歯周病に苦しむ犬は、通常よりも多くの唾液を分泌することがあります。歯痛による唾液の過剰分泌です。

口での挙動の変化

痛みを和らげるために、犬が口をこすったり、顔をこすったりすることがあります。

末期で起こる症状

歯が抜ける

歯周病がさらに進行すると、歯ぐきからの炎症や感染が歯の支持組織に影響を及ぼし、歯がグラグラし、最終的には歯が抜けてしまうことがあります。

歯周病を予防するための歯みがきのやり方

犬の歯みがきは、歯周病の予防や、症状の進行を遅らせるために非常に重要です。以下に、犬の歯みがきの方法を説明します。

事前の準備

必要な道具

・犬用の歯ブラシまたは歯みがき用のフィンガーブラシ
・犬用の歯みがきペースト(犬用に設計されたものを使用し、絶対に人間用の歯みがきペーストを使わないでください。)
・タオルまたはペーパータオル

歯ブラシの選択

犬用の歯ブラシまたは歯みがき用のフィンガーブラシを使用します。歯ブラシは犬の口に適したサイズで、柔らかい毛束を持つものが適しています。

歯みがきペーストの選択

犬用の歯みがきペーストを使用します。これには犬用に設計された味がついており、人間用の歯みがきペーストに含まれるフッ素などの成分が含まれていないため、安全です。

歯みがきの手順

リラックスさせる

犬をリラックスさせるために、優しく声をかけたり、愛情を示したりして、楽しい雰囲気を作りましょう。犬の歯みがきはポジティブな体験にするために、怒ったり怖がらせたりしないようにしましょう。

歯みがきの開始

犬の頭を優しく持ち上げ、口を開けます。歯みがきペーストを歯ブラシに少量付けます。歯みがきは優しく、徐々に行いましょう。最初は数本の歯を対象にし、徐々に慣れていくとよいでしょう。
歯の裏側、特に大臼歯(奥歯)の裏側に注意を払いましょう。歯みがきペーストを使って歯の裏側にもアクセスすることが重要です。
また、歯みがきは歯肉と歯の境界で行い、歯肉を優しくマッサージするようにしましょう。無理に歯みがきをしすぎないようにし、犬に痛みを与えないように注意します。

歯みがきペーストの残りを拭き取る

歯みがきが終わったら、タオルやペーパータオルを使って歯みがきペーストの残りを口内から拭き取ります。

ごほうび

歯みがきが終わったら、犬にご褒美をあげてポジティブな経験にしましょう。犬が歯みがきに慣れるのを助けます。

定期的に繰り返す

歯みがきは定期的に行うことが大切です。週に数回、最低でも週に1回は行うようにしましょう。

さいごに

犬の歯みがきは慣れが必要で、最初は戸惑うことがあるかもしれませんが、定期的に行うことで犬の口腔の健康を維持し、歯周病の予防や、症状の進行を遅らせる効果が期待できます。
まずは動物病院などで専門家から指導を受けて、正しい歯みがきの方法を身につけましょう。
一緒に過ごす楽しい時間をなるべく長く健康的に続けるため、犬の健康に役立つ習慣や行動を積極的に取り入れる様に努めましょう。