気づきにくい?フィラリア症の症状
犬のフィラリア症を知っていますか?犬の飼い主様であれば、一年を通じて予防が必要な病気であるため身近な病気と言えるかもしれません。フィラリアは蚊を媒介して、犬の血管内に寄生します。フィラリア症は寄生しているフィラリアの数や程度によって、症状が軽度から重度まで異なります。
軽度である症状は以下の通りです。
- 咳をする
- 疲れやすくなる
- 運動をあまりしなくなる
- 体重減少
- 毛並みの悪化
- 食欲がなくなる
- 呼吸の変化
軽度の初期症状として、咳や呼吸の変化、運動をしなくなるなどの行動変化が挙げられます。血管内の寄生により、循環器系の問題が起こるため、心臓に問題がある際に見られるような変化が特徴です。
進行すると、重度ともいわれるような以下の症状が見られるようになります。
- 貧血による粘膜の蒼白
- 腹水による腹部の膨満
これらが起こると、死に至る危険性もあるため、早期の対応が必要です。
愛犬に症状が出たら?動物病院での治療法
現在でもフィラリア症は感染し得る病気です。疑わしい症状に気づいたら、まずフィラリア症の診断と進行度の評価のために以下のような検査を行うケースが一般的です。
- 聴診などの一般的な検査
- フィラリア検査キットなどを用いた採血の上で行うフィラリア検査
- 全身状態を把握するための血液検査
- 心臓や肺の状態を把握するためのレントゲン検査や超音波検査
一度の検査では断定できず、数か月ごとに定期的な検査を行う場合もあります。フィラリア症であることがわかったら、獣医師は以下の方法で治療を行います。
- 駆虫薬を用いてフィラリアの駆除を行う
- 外科手術
内科的治療の場合、駆虫薬で死滅したフィラリアが犬の体にショックを引き起こす危険があるため、併せて消炎剤などを使用しながら体に負担がかかりにくくすることが一般的です。
外科手術は「つり出し法」と言って、以前は一般的でしたが、最近では内科的な治療の方が行われる可能性が高いです。
また、フィラリア症によって心臓や肺に問題が起こっている場合、併せて以下のような対症療法をとることもあります。
- 心臓の負担を軽減する薬
- 循環をよりスムーズにするための利尿剤
- 痛みや炎症がある場合は消炎鎮痛剤
- 心臓や腎臓への負担を軽減する食事療法
全身状態を評価したうえで、どのような方法が一番有意義かということを検討し、治療が提案されます。
病気にならないために!飼い主ができる予防法
フィラリア症にならないためには、定期的に適切な予防を行うことがとても大切です。最近では、さまざまなタイプの予防薬が開発されていて、投薬が苦手な場合でもストレスフリーに挑戦できるようになっています。
例えば予防薬は以下のようなタイプがあります。
- 経口薬(粉薬・錠剤・チュアブル錠)
- スポットオン(滴下タイプ)
- 注射薬
経口薬はご飯に混ぜやすいような粉薬や錠剤、おやつとしても楽しめるチュアブルタイプなど種類が豊富であることがメリットと言えますが、月に1回定期的に投薬する必要があるというデメリットがあります。忘れずに投薬しなければなりません。
滴下タイプの予防薬は、皮膚に投与するため、ご飯に混ぜ込むことや口の中に入れることが難しい子の場合でも投薬しやすいことがメリットと言えるでしょう。しかし、皮膚がデリケートな子など、皮膚の状態によっては皮膚トラブルにつながることもあるため注意が必要です。
注射薬タイプの予防薬は年に1回、病院で注射する薬になります。投薬を忘れにくいというメリットがありますが、アレルギー反応などの体への負担につながる可能性もあるため、全身状態や体質によっては適さない場合もあります。
予防のスケジュールは地域によって異なるため、かかりつけの先生に確認することをおすすめします。目安としては、平均気温が14℃を上回るようになってから1か月後に投与を開始し、14℃を下回ってから1か月後に最後の投与を行うよう計画することが一般的ですが、近年温暖化が見られる影響で、地域によっては休薬期間が短くなったり、通年投与となったりする場合もあるでしょう。
併せて蚊との接触を減らすための対策も大切です。
- 防虫スプレーの使用
- 蚊を避けた行動
- 蚊の発生しにくい環境づくり
予防薬はあくまでも駆虫薬であり、体内に入り込んだ子虫を成長する前に駆虫するものです。防虫スプレーを使用することで、蚊が犬に接触することを防げます。防虫スプレーは安全性を考慮し、必ず犬用のものを使用しましょう。蚊は、早朝や夕方など活発になる時間帯があるため、これらの時間帯の散歩を避けたり、蚊が多い場所を散歩ルートに選ばないようにしたりすることで、蚊と接触するリスクを軽減できます。
他にも、室内であれば網戸などの対策や愛犬に洋服を着せるなども、接触する機会を減らせるため有意義かもしれません。
蚊は、発生しやすい場所が決まっています。例えば繁殖しやすいところに、水たまりや草むらなどが挙げられます。家の敷地内の水たまりや植木鉢に溜まった水を定期的に清掃したり、草刈りをしたりすることで蚊の異常な繁殖を抑制できる可能性があります。
さいごに
フィラリア症は以前、死亡原因として上位にランクインする疾患でしたが、知識の啓もうや予防薬の発展により、命を落とす犬たちも減ったとされています。
しかし、今でもフィラリア陽性となる犬は存在し、日常生活ととなり合わせの病気とも言えるでしょう。
愛犬の健康のために、フィラリア症について正しい知識を得て、忘れずに定期的な予防を行うことが大切です。